23. モミジの枯葉(2014年5月29日)

  鉄錆(鉄錆)と同じく枯葉にもまた滅びゆくものの美しさを見ることができる。
これからご紹介するモミジの写真はすべて、宮崎県延岡市にある金堂ケ池(カナドガイケ)で撮影したものだ。金堂ヶ池は私の自宅から歩いて20分程度のところにあり、その池の周りでは散歩やジョギングをする人が多い。
その池にそそぐ小さなせせらぎの辺にモミジの木があり、その葉の色の変化を観察するのも私の散歩の楽しみでもある。
  写真1は紅葉が終わって落下したときの葉(12月15日)と それから40日が経過し完全に枯れてしまった葉(1月26日)である。
  写真2は他の木々の落ち葉とともに混ぜって堆積したものである。
  写真3はせせらぎの水の中に落ちた枯葉である。
いずれ、これらの落葉はメイラード反応により腐植物質となり土のもどり、樹木の栄養となる。




  写真4にはこのモミジの木の季節変化を示した。
 若葉がではじめるのは3月後半であり、4月には葉の緑一色となる。4月から11月の8ヶ月間、緑の葉は光合成を活発に行い樹木を成長させる。
 葉がクロロフィルを失いはじめ赤みを浴びてくるのは11月の後半だ。紅葉がピークになるのは12月上旬。そして12月末には葉は地面に落下する。
 毎年毎年このサイクルの繰り返しである。


  紅葉のピークは、桜の花と同様、非常に短い。このモミジの木の場合、美しい紅葉が見られたのは12月の上旬(約10日間)であった。
写真5のRGB値を求め、その相対値の変化を示したのが図1である。






 今日(5月29日)も金堂ヶ池に散歩に行って、モミジの若葉とその木の下に落ちていた落葉を並べて撮影してみた。(写真6)
生命あるものと、生命を失ったものとの対比もまた美しいと思う。
 

コレクションリストに戻る