24.メコンの水色 2014年6月2日

  メコン川の源流はチベット高原のタングラシャン山脈の北側に源流はあり、中国雲南省、ビルマ東北辺、タイとラオスの国境を通って、カンボジアを縦貫、ベトナム南部のデルタ地帯から南シナ海に注ぐ全長4,200kmの大河である。
私はタイに在住中、メコン川の種々の流域に旅行した。その旅の一つ一つに思い出があるが、ここではメコンの水色に絞って紹介しよう。
 図1はメコン流域の地図と撮影場所を示すものである。









 
 メコンの色は浮遊している粘土微粒子の色である。流域の土壌を水の流れが削り、重くて大きな粒子は川底に沈み、軽くて小さな粒子は懸濁して流れていくのである。
図2はメコンの水色をRGB値で比較した。
上流部のジンホンでは薄い灰色であるが、ゴールデントライアングル→ルアンパバーン→ケーン・カバオと中流域に入るにつれて糖蜜色(褐色)に近づいてくる。
カンボジアのトンレサップ湖は流れがほとんどないので、粘土粒子が沈降しRGB値は高くなっている。



 図3はメコンの水色と糖蜜色を比較したものである。
 メコン水色は糖蜜色よりRに対するGのプロットおよびRに対するBのプロットともに高い。
すなわち、糖蜜色よりは灰色成分が多いと言える。
懸濁している粘土鉱物は鉄を含んでいるため、このような灰褐色となっているのだと思う。


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