43.ナムプラー 2014年12月25日

  日本料理の調味料として醤油は欠かせないが、タイ料理には魚醤が欠かせない。
タイ語で魚醤をナムプラーという。ナムは水または汁、プラーは魚のことで、魚を塩漬けにしたとき浸みだしてくる汁である。
 写真1は私が1991年にナムプラーの工場を見学させていただいたときに、社主直々にいただいた最高級品である。


 図1にタイにおけるナムプラーの製造工程を示す。
また図2はナムプラー会社のパンフレット(今から10年以上前のもの)から抜粋した工場の様子である。




 先日、バンコクに出張に行ったときにスーパーマーケットで60ml入りの小瓶を購入し、日本に持ち帰った。(図3)
色はまさしく糖蜜色である。
煮詰めると食塩の結晶が析出してくる。部屋中にナムプラー特有の少し生臭い香りが漂う。
タイに最初行ったころは、この香りが苦手であったが、今は好ましく感じるようになった。



 
 石毛直道氏は東アジア・東南アジアの調味料文化圏は、大豆や麦を原料とした穀醤卓越地帯と魚を原料とした魚醤卓越地帯に分けらると言う。(図4)
もちろん、日本は穀醤文化圏であり、タイは魚醤文化圏である。


 
  醤油も魚醤もその旨味の成分はタンパク質が分解してできたアミノ酸類である。アミノ酸の中でもグルタミン酸が最も多く含有されており、これが旨味の主体となっている。

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