46. 干し柿 2014年12月30日

 私は日本の果物の中では「柿」が一番好きである。
タイにはおいしい熱帯の果物があるが、柿はできない。
秋になると柿の味が恋しくなって、日本食品のあるスーパーマーケットで日本からの輸入品を購入するのであるが、目が飛び出るほど高い。
日本に帰国してからは柿の季節になると、朝、昼、夕の毎食のデザートに柿を食べて、日本にいる幸せをかみしめている。
 また、私の今年87歳になった母は毎年干し柿を作っている。今年の干し柿の色変化を写真1に示す。

 

 11月25日は渋柿の皮をむいてつるした直後である。
その後、干し柿の暗色化が進み12月21日はいわゆる干し柿の色になった。
12月8日から12月21日の間の変化は、私がタイに出張していたたために記録することができなかった。

 渋柿が乾燥することによって甘くなるのは、渋味成分である柿タンニンが不溶化して舌に渋味が感じなくなるからである。
しかし、不溶化してもタンニンは乾燥により濃縮されて存在しており、消失することはない。

 図1に示すように干し柿の抗酸化作用(ラジカル補足活性)は生柿の7倍である。
抗酸化作用の主たる原因物質は柿タンニン(ポリフェノール)である。

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