49. 甘乳蘇(かんにゅうそ) 2015年1月19日

  昨年末に宮崎県の綾町にある「酒仙の杜」で甘乳蘇(かんにゅうそ)というものを見つけて購入した。
これは、牛乳を約10倍に濃縮したチーズのような食品で宮崎県都城市の「中西牧場」で製造されている。
1000年以上も前に飛鳥で貴族の美容と健康のためにつくられていたとのことである。
 写真1と図1に示すように、その色は明らかに糖蜜色である。
 



 そこで、私は市販の牛乳を濃縮したら、甘乳蘇に近い物ができるかどうかを試してみることにした。
 写真2にその経過を示す。
 牛乳は濃縮が進むと焦げ付きがおこり、10倍濃縮までにはいたらなかった。(図2)
加熱停止したときの相対重量は15%、すなわち 100/15= 6.7倍濃縮が限界であった。
甘乳蘇は包丁を使わないと切断できないほど固いが私の濃縮物はまだ水分が多くぶよぶよであった。
そこで、50℃で乾燥したところ色は黄褐色に変化しパサパサの物ができた。





 図3に脱水過程におけるRGB値の変化を示す。
このものの味は購入した甘乳蘇よりは旨味が少ないが、それでもかなり美味であった。
糖蜜色は乳糖とタンパク質のメイラード反応でできるのだと思う。



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