73.ヘナ  2015年8月13日


 「ワンダムおじさんの糖蜜色研究、2.3 糖蜜色類似色を選ぶ」で私は20種類の色を選んだ。そのうちの一つが「ヘナ」または「ヘンナ」である。
表1に示すように20種類の色のうち9種類を「糖蜜色コレクション」で関連記事として紹介している。
本日は10種類目となる「ヘナ」について記載する。


 ヘナはエジプト、インド、北アフリカなどの水はけのよい丘陵に育つ常緑低木であり、その含有色素は古くから髪、眉、爪、手足の染色に用いられてきた。
現在では天然のヘアカラーとして使用されている。
 写真1は、通人販売でヘナ粉末を購入したときについていた取扱説明書である。
ヘナの栽培、収穫、運送、粉砕、袋詰めの工程が写真で示されている。

 写真2は購入した製品の外装と写真3はその内装である。

 

 ヘナ粉末に60℃の温水を加えてその色素を抽出したときの経過を写真4に示す。
抽出直後の液色は濃厚なオレンジ色であった。


 これを放置すると赤っぽい糖蜜色になっていく。(写真5)


 写真6は抽出液をスケッチブックに塗布したときの写真である。


 図3は抽出液の紫外可視吸収スペクトルである。
メラノイジンのようなピークのない一般吸収ではなく、200nm,270nm,450nm付近にきちっとしたピークが認められた。
色素成分の主体はローソン(ヘンノタンニン酸)である。

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