116.落葉の思い出   2016年7月12日

  緑の葉が紅葉して落ちるものもあれば、緑の葉のまま落ちて、それから糖蜜色に変色していくものもある。
以下は、色々な場所で集めた美しい落葉のコレクションである。

 (1) 雨に濡れた歩道に立っている落葉

   梅雨の季節、暗い糖蜜色の歩道に明るい糖蜜色の落葉を見つけた。落葉は単に落ちているのではない。
 砂利と砂利の間に突き刺さって立っているのだ。


  
 (2) 阿蘇、「風の丘」の落葉
   
  秋、阿蘇大野勝彦美術館を訪れた。
  大野勝彦氏は両手を事故で失った画家である。先生の短い講演を聴いたあと、美術館の庭で糖蜜色の落葉の群れを見つけた。


 
 (3)ニッケイの香りがする落葉
  
 東京薬科大学の薬用植物園で「トンキン ニッケイの葉です。葉柄を折ると良い香りがします。どうぞご自由にお持ち帰りください」という表示があり、
糖蜜色の葉が置いてあった。
 
  

(4)離島の山のベンチに落ちていた葉

 島野浦島(しまのうらしま)は延岡市にある離島で、周囲15.5kmの離島である。
島内には遠見場山(とんばやま)がそびえており、山の尾根つたいには33体におよぶ観音像が設置されており、これを巡ってみた。
夏の暑さで、汗びっしょりなっているとき、ベンチを見つけて座りこんだ。
ベンチには、きれいに虫に食われた糖蜜色の落ち葉があった。
まわりには、リアス式海岸の絶景が広がっていた。

 

(5) 伊勢神宮の淡い色の落ち葉

  式年遷宮が終わって5ヶ月後に伊勢神宮に参拝した。
  大木の根元の葉は淡い色をしていた。落ち葉さえも、スピリチャルである。
 
 

 
(6)腐植となる落葉

 金堂ヶ池(かなどがいけ)は私の散歩コースだ。
 ツワブキが糖蜜色の落葉からできた腐植の多い土壌で育っていた。緑色の大きな葉が五月の日の光を集めている。


 
(7)ルンピニ公園の落葉

 体重の増えすぎで高血圧症になったので、休日はバンコクをひたすら歩くことにした。
ルンピニ公園はバンコクの中心部にある都民の憩いの場。
日本では3月11日に大震災、大津波、原発事故でえらいことになった。
タイでは多くの人からお見舞いの言葉をいただいた。
日本人とタイ人は「ピーノンカン」だという。ピーは兄または姉、ノンは弟または妹のこと。すなわち「兄弟姉妹と同じだ」ということ。
ありがたいことだ。

 

(8)水滴の乗った落葉

 そのころ、妻と娘は八王子に住んでいたので、夏に一時帰国したとき、高尾山に登った。
猿園の建物に薄緑の葉が落ちていて、そこに水滴が乗っていた。
その清涼さに見とれてシャッターを切った。



(9)オレンジ色の落葉(東京)

 ソンクラン(タイの正月)休暇のとき、上野公園に行った。
5月にタイの研修生を東京の観光案内するのだが、私は東京に住んだことがなくあまり知らない。
そこで、候補地の下見をしたのだが、その一つが上野公園と言うわけだ。
 紅葉の季節でもないのに、この落葉のオレンジ色は鮮明であった。


 

(10)古墳の落葉

 妻の実家を1月1日に訪問し、近くの西都原(さいとばる)古墳群を見に行った。
宮崎県西都市にある日本最大級の古墳群である。
春は桜がとてもきれいで、若い頃、今でいう「合コン」に来たことがあるのを覚えている。
写真は桜の落ち葉、典型的な糖蜜色である。


 
(11) マンゴーの落葉

 ナコンパトム県にある日本人寮の庭にはマンゴーの大きな木があって(グーグル アースでも識別できる)、4月にはマンゴーの実が鈴なりだ。
マンゴーの木の下には、寿命をまっとうした葉が落ちている。その色もやはり糖蜜色だ。

 

(12)オレンジ色の落葉(バンコク)

 日本からのお客様と会食をする時刻まで少し時間があったので、近くを散策した。
街路樹の葉がビルのテラスに落ちて、夕陽をあびてオレンジ色に輝いていた。

 

(13)黄土色の大きな落葉

 このころ、休みの日はエンポリアウム デパートの映画館に良く行っていた。
この日も、「ウオーター・ホース」という怪獣(ネッシーがモデル)と純粋な少年の交流を描いた映画を観た。
その後で、その隣にあるベンチャシリ公園でこの落葉を見つけた。
ちなみに、ベンチャシリ公園には私の大好きな鉄のバッファローのモニュメントがある。



(14)春の落葉

 このときも、ソンクラン(タイの正月)に日本に一時帰国したときのことだ。
日生劇場でミュージカル「ジキルとハイド」を妻と観劇した。主演は鹿賀丈史、マルシアや鈴木蘭々の歌声にも魅了された。
その後、日比谷公園を淡い糖蜜色の落葉を踏んで歩いた。

 

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