173.天岩戸開き神話 2017年8月23日

 天岩戸(アマノイワト)神社は天岩戸開き神話の場所そのものである。
その神話の概要は「高千穂の神話:渕敏博 編、地域文化出版, 平成21年改定」によると以下のとおりである。

 「アマテラスの岩戸ごもりによって、世界は暗闇となり、様々な悪がはびこった。
 八百万(やおろず)の神々は、心をひとつにして、アマテラスを岩戸から出そうと、必死の努力を展開。
 とりわけ、アメノウズメの涙ぐましいばかりの活躍により、天岩戸は開かれ、世界は再び光を取りもどす。」

 写真1は天岩戸神社にあるアマテラスの像で、銅像のように見えるが実がFRP(繊維強化プラスチック)製である。
この像を見たときに私が最初に感じたのはその色が日本人女性の平均的な皮膚色に類似していることであった。
図1はアマテラス像の額の部分と日本人女性の皮膚色平均値のRGBを比較したものであるが、確かに類似していた。
像の作者がそのことを意識していたとすればさすがであるが、実際は銅像の色に似せた結果であると推定する。




 写真2は、怪力の神様タヂカラオが天岩戸を引き明け持ち上げている像である。

 
 
 写真3は天岩戸開きで大活躍したアメノウズメをゆるキャラにした「うずめちゃん」である。
 
 
 写真4は天岩戸の前で踊るアメノウズメが踊っている絵である。

  
 そのときの様子を再度「高千穂の神話」から引用すると次のようになる。

 「 日かげのかずらを肩からたすきにかけ、まさ木のつるを髪にまとい、笹の葉をたばねて手につないだいでたちのウズメは、岩屋戸の前へとすすみ、
 ここに桶を伏せて、この上にたち、足をドンドコドンドコ踏みならして踊り出したのでした。
  まるで神がかりしたとうに踊り狂うものですから、ウズメの衣服はみだれ、胸はあがけるは、腰にまとったものもずりおちてしまうはで、とうとう秘部まで
 あらわになってしまいます。
 それでも、ウズメは無心になって、ユーモラスに歌い踊りつづけます。
 そのあまりのおもしろさ、おかしさに、神々は、どっと声をあげて笑いころげるのでした。
  すると、アマテラスは、あまりの外のさわぎをふしぎに思い、天岩屋の戸を細めにあけて、
 「これ、ウズメよ!、真暗やみのはずなのに、そなたはどういうわけで踊り、皆は笑いころげておるのか?」と、たずねたのです。」

 その後の話は省略するとして、いずれにせよアマテラスは神々の共同作業により外界に出ることになった。
 そして天岩戸開きの作戦会議を開いたのが、天の安河原(アマノヤスカワラ)という写真5の場所であると言われている。
 
 そこを流れる川の水は8月だというのに冷たく、心地よかった。ここと同じ清涼感を私の故郷、三重県美杉町の日神(ひかわ)の小滝でも感じたことを第70節「続 神去村」で述べた。


 

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