293.トウモロコシ絹糸の放置 2019年7月10日

 第238節でトウモロコシの生育過程を記載したが、収穫時に回収したトウモロコシの絹糸を室内に放置してその色がどのように変化するかを観察した。
トウモロコシの絹糸には収穫時点で糖蜜色をしているものと淡い黄緑色の物があったが、ここでは後者に注目して色変化を記録した。

 写真1は放置直後と307日間放置後の絹糸を比較したものである。
 放置によりRとBは大きくは変わらないがGが減少して糖蜜色になった。


 写真2,3,4,5には約1週間ごとの経過写真を示した。






 経過写真からRGBを測定し図1-1に示しRGB%を図1-2に示した。
 図1-2を見るとR%が上昇し、G%は変化せず、B%は減少した。
 G%が高いのは放置直後だけであり、1週間後にはすぐに低下して一定を保った。


 放置した絹糸を水洗して熱水抽出した。その経過を写真6に示す。
 抽出濾液は薄い黄褐色であった。
 抽出濾液を希釈なし、2.5倍、5倍に水で希釈し(写真7)、紫外可視吸収スペクトルを測定した。


 スペクトルは200nm付近にピーク、270nm付近にショルダーがあるものの(図2-1)、全体としては波長の増加とともに吸光度が対数的に減少するいわゆる一般吸収を示した。



 トウモロコシ絹糸の抽出物には抗糖化作用が報告されている。(文献1)


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