440. 蛇の死骸2 2021年11月25日

 本節は439節の続きである。
 ほぼ骨と皮だけになった蛇の死骸を第3サトウキビ畑に放置すると、雑草に覆われ、かつ土と混ざって観察しにくくなる。
そこでステンレスパッドに入れ替えて屋外に放置することにした。(写真1.①)
その経過を写真1に示した。
雨が降って雨水がたまると緑色の藻類もしくはシアノバクテリアが旺盛に繁殖し蛇の死骸を覆う。(写真1.②)
晴天が続き水が蒸発しきったところで死骸は分断された。(写真1.④)
その後、再び水が貯まると今度は赤色に染まった。(写真1.⑥)
11月下旬までこの状態で観察を続けたところ、死骸は次第にバラバラになっていった。



 写真2-1~2-7はほぼ毎日の記録写真である。










 赤色のスラッジを採取して顕微鏡で観察したときの画像を写真3に示した。
 赤色の原因はヘマトコッカス藻の繁殖によるものであった。
 この藻は赤色のカロチノイド色素アスタキサンチンを生成する。



 写真4はスラッジに隠れていた線虫である。


 写真5はスラッジの倍率を変えて撮影した顕微鏡画像である。
 ヘマトコッカス藻が主体であることがわかる。

骨と皮だけになった蛇の死骸から雨水でミネラルが少しずつ溶解し、それがヘマトコッカス藻の旺盛な繁殖をもたらしたのである。

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