19.冷蔵庫に保存したサトウキビジュースと濃縮液の変化 2014年6月6日

  冷蔵庫を整理していたら6ヶ月以上保存しておいたサンプルが見つかった。(7.黒糖製造条件、写真3)
正確には5℃で191日保存したことになる。その変わりようを写真1に示した。


①保存前には液は濁っていたが、保存後は懸濁していたコロイド状物質が沈降または浮遊し、清澄化されていた。
②濃縮倍数2.8倍以下では冷蔵庫保存でも発酵臭が感じられ、微生物の増殖が示唆された。
 しかし、Brixは保存前とほとんど変わらず、糖から炭酸ガスへの変換はなかったと言える。(泡もまったくなかった)
③濃縮倍数3.4倍以上では発酵臭は感じられず、糖蜜臭を維持していた。
④濃縮倍数2.0倍までは沈降物を濾過できたが、2.8倍以上では粘度が高く濾過はできなかった。

 写真2によれば、4.0倍濃縮液では容器の底にわずかなスクロースの結晶が析出していた。4.5倍および4.9倍濃縮液では多量のスクロース結晶が析出していた。


 4.5倍および4.9倍濃縮液から得られたスクロース結晶をペーパータオルにくるんで、付着している糖蜜を吸収させた。(写真3)

 写真4はこうして得られたスクロースの結晶である。まだ糖蜜は残存しているものの美しい結晶である。
なめてみると、黒糖ではなく白砂糖の味がした。



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