31.T対RGB比率プロットによる色の分類 2014年8月14日

(1)要旨

 29節.皮膚色モデル に示したT対RGB比率モデルに類似するパターンを示す色は「茶色系」「オレンジ系」「黄色系」に分類される色であり、
それ以外の色はこのモデルとは異なっていた。
上記3つの系統色の中から、特にこのモデルと一致する49種の色を選んだ。その中には「ワンダムおじさんの糖蜜色研究、2.3 糖蜜色類似色を選ぶ」で選択した20種の糖蜜色類似色のうち9種が入っていた。



(2)色名とRGBサンプルの原典
 
 写真1に示す「永田泰弘監修.日本の色世界の色:写真でひもとく487色の名前.ナツメ社,2010」を使用した。




(3)色系別のT対RGB比率プロット(図1)

①ピンク色系、赤色系はG%が33%より小さくB%と同程度である。従って皮膚色モデルとは異なる。
 ピンク色系はTが300以下の暗い色は存在しないのに対し、赤色系はTが550以上の明るい色は存在しない。
②オレンジ色系、茶色系はG%が33%に近く、R%、B%も皮膚色モデルに近い。
③黄色系はR%、G%、B%ともパターンは皮膚色モデルと似ている。
 ただし、G%は33%より大きく、B%はモデルより小さい。
④緑色系はG%がTが小さくなるほど大きくなる。従って皮膚色モデルとは異なる。
⑤青色系はG%が33%に近いものの、R%とB%のパターンは皮膚色モデルとは逆転している。
⑥紫色系はG%がTが小さくなるほど大きくなり、かつ %G<%Gである。従って皮膚色モデルとは異なる。
⑦白灰黒系(無彩色)はT>50においてはR%=G%=B%=33%となる。



(4)オレンジ色系、茶色系、黄色系の中から皮膚色モデルと一致する色の選択

 図2でRm%,Gm%,Bm%の直線すべてに乗っている色を選択して表1に示した。





 ○印は糖蜜色類似色である。糖蜜の主要色素はメラノイジンであり、皮膚の主要色素はメラニンである。
 日本人の理想の皮膚色である「48.肌色」もこの中にある。


(5)緯度と顔色データのT対RGB比率プロット

 「ワンダムおじさんの糖蜜色研究:4.3 地球の緯度とそこに住むヒトの皮膚色」の表13.のデータを用いてプロットしたのが図3である。
パターンとしては皮膚色モデルと似ているが、一致しているとは言えない。
 皮膚色モデル作成時の写真とこのデータの写真とは以下の点で異なっている。
 ①前者は一定の照明光下、室内で撮影されたものであるのに対し、後者は異なる太陽光下、屋外で撮影されたものである。
 ②前者は日焼けしていない腹部の皮膚色であるのに対し、後者は日焼けした顔の皮膚色である。
 ③前者は女性(20~30歳)であるのに対し後者は老若男女が混在している。




 しかし、それでも皮膚色というのは黄色、オレンジ、茶色の仲間であり、糖蜜色の仲間であることが確実であることがわかったことで「良し」としたい。

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