9. 新サトウキビ畑でのサトウキビ生育経過 (2014年2月3日)

目次
(1) 栽培条件
(2) サトウキビ全体の生育状況
(3) サトウキビの全長と茎長の経過
(4) 12月刈り取り時のサトウキビ新鮮重量
(5) 代表株の生育状況


(1)栽培条件

①苗移植までの状態については 10.新しいサトウキビ畑をつくるを参照のこと。
②追肥:2013年8月11日に各株あたり化成肥料8-8-8 を65gを根元にまき土をかぶせた。
③苦土石灰の施肥:葉に黄色部分が増加してきたためマグネシウム不足を疑い8月25日に各株の根元に苦土石灰CaCO3・MgCO3 700gを施肥した。
④土壌が乾燥してきたときは適宜水道水を散布した。
⑤除草:雑草が生えてきたらすぐに抜き取った。
⑥台風による倒壊を防ぐため、9月4日に支柱と紐で補強を行った。



(2)サトウキビ全体の生育状況

①移植後1ヶ月まで(写真1)
 移植後数日間でほとんどの葉は弱り枯れていった。その中から1ヶ月の間に緑色を回復あるいは新しい葉を出した株は生き残り、そうでないものは枯死した。


②移植後1ヶ月から2ヶ月まで(写真2)
 移植後の1ヶ月を耐え生き抜いた株は葉を伸ばし生長を開始した。


③移植後2ヶ月から4ヶ月まで(写真3)

 移植後3ヶ月ごろから新しい芽が出て茎の数が増えてきた。葉だけでなく茎も生長し始めた。


④移植後4ヶ月から7ヶ月まで(写真4)
移植後4ヶ月を過ぎた頃から茎がさらに伸びて、日光があたりにくい下部の葉は枯れていく。
12月30日にさらに栽培を継続して観察する7株を除いて、すべての刈り取りを終了した。




(3) サトウキビの全長と茎長の経過

 2年目切断株を移植したもの(区画A~F)は生育にばらつきが大きく。1ヶ月で枯死した株が48株中13株(27%)もあった。
一方、種キビを移植したものは(区画G,H)は生育のばらつきが小さく、枯死したものは皆無であった。




(4) 12月刈り取り時のサトウキビ新鮮重量

 新鮮重量のデータを表1に示した。 また2年目株切断苗について重量増加の大きい順に並べて表2および図3に示した。
表2.図3の中で生育の良否に応じて以下の代表株を選んだ。

良代表D1:生育が良好であったもの
可代表F2:生育がまずまずであったもの
劣代表B2:生育は悪かったが枯死には至らなかったもの
死代表B1:1ヶ月で枯死したもの

これらの4つについて次節で経過写真を比較する。





(5)代表株の生育状況

①移植後1ヶ月
 良代表株:一旦緑色を消失した葉が再び緑色を回復する。
 可代表株:一旦緑色を消失した葉が再び緑色を回復する。
 劣代表株:緑色を消失した葉は1ヶ月で回復しない。
 死代表株:緑色を消失した葉は1ヶ月で回復しない。





 



②移植後1ヶ月から2ヶ月
 良代表株:緑色を回復した葉の中で、生長を続けるものと再び枯れていくものがある。新しい葉が出て生長する。
 可代表株:緑色を回復した葉のほとんどが生長を続ける。新しい葉が出て生長する。
 劣代表株:1ヶ月で緑色を回復しない葉はすべて枯死する。新しい葉が出て生長する。
 死代表株:1ヶ月で緑色を回復しない葉はすねて枯死する。新しい葉は出てこない。







③移植後2ヶ月から4ヶ月
 良代表株:葉、茎ともに旺盛に生長する。新しい芽が出て次々に生長する。
 可代表株:葉、茎ともに旺盛に生長する。新しい芽が出て次々に生長する。
 劣代表株:新しく出た葉のみが生長するが、バイオマスは小さい。まわりのサトウキビに隠れて写真が撮りにくい。
 死代表株:枯れたまま。







④移植後4ヶ月から7ヶ月
 良代表株:順調に生長する。
 可代表株:順調に生長する。
 劣代表株:順調に生長する。
 死代表株:枯死した異物も風などで飛散したり、微生物に分解されたりして消滅する。







⑤全長、茎長経過の比較


 全長、茎長とも良代表株と可代表株で差はない。両者の新鮮重量の差は株あたりの茎の本数(分げつの本数)の差による。
 茎の生長速度が最大になるのは8月下旬から9月下旬の1ヶ月であった。


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