141.黒砂糖のカビ防止 2017年7月28日

 第100節「黒砂糖のカビ」に記載したとおり、黒砂糖にはカビが生えやすい。また139節に記載したとおり生えているのは酵母であった。
2016年末から2017年はじめに製造した黒砂糖については、いくつかのカビ防止対策を実施し、表1に示すようにカビの防止に成功した。


 2017年度に実施した主要な対策は次の2つである。
 ①成型した黒砂糖を完全に乾燥したのを確認してから仮包装する。(仮包装は大きなビニール袋に密封する。)
 ②仮包装から小袋包装するときにシリカゲルを入れる。

 写真1~写真8に小袋包装をしたときの状況を示す。
 
 
 

 7月28日にカビの有無をチェックしたところ保存したすべての袋でカビは発生していなかった。(写真9,写真10)
 
 
 図1に示すように2016年度は仮包装日の湿度が高い時、カビ発生頻度が増加したが2017年度は湿度が高い場合でもカビの発生はなかった。
 図2に仮包装時の最高気温とカビ発生頻度の関係を見てみたところ、2017年度の仮包装日の最高気温が20℃をこえることはなかった。
 図3に示す如く、2017年度の仮包装は気温がまだ低い2月中に終了しているのである。

 

 

 前述の2つの対策が功を奏したのは間違いないが、冬の間に黒砂糖製造を終え、仮包装での保存中の気温が上がらない時期にシリカゲル入りの小袋包装できたことも
カビ防止に寄与していると考えられる。
黒砂糖製造を冬の間に終えられたのは、蒸発釜の容量を上げたからである。

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