168.糖蜜発酵廃液の水槽脱色試験液のエタノール分画 2018年3月15日

(1)はじめに

 154節で調製した1次軽液濃縮液(以下濃縮液と言う)をエタノール濃度を変えた水溶液で抽出して分画を行った。


(2)実験方法と経過

 エタノールによる抽出条件と結果を表1に示す。
また抽出経過を写真1,2,3,図1に示す。


 
 

 抽出液の遠心上澄みはホットプレートでエタノールを蒸発させた後、再度水で溶解した。(写真4)
 


(3)固形分抽出率

 図2に溶媒のエタノール濃度と固形分抽出率の関係を示す。
エタノール濃度が上昇すると沈殿物が増加し、抽出率は減少した。
無水エタノールの場合(エタノール100%)固形分抽出率は40%であった。

 


(4)紫外可視吸収スペクトル

 図3にエタノール除去水溶液の紫外可視吸収スペクトルを示す。
 抽出溶媒のエタノールが増加するにつれ、すべての波長で吸光度も減少している。

 図4にはOD200nmを100%としたときの相対ODスペクトルを示す。
 抽出溶媒のエタノールが増加するにつれ、長波長側での吸光度が減少する。
 


 
  図5はエタノール0%のODを100%としたときの相対ODスペクトルを示す。
  波長200nm以下ではエタノール濃度によって相対ODに差はないが、240nm以上でエタノール濃度によって大きな差が現れ、エタノール濃度が高いほど相対ODは低くなる。
  図6は種々の波長の相対ODがエタノール濃度の上昇とともに低下することを示している。
 


(5)おわりに

 得られたエタノール分画物はMSG-グルコース系のメイラード反応に添加し、メイラード反応抑制作用があるかどうかを見ることにする。

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