191. サトウキビ茎への茎浸漬培養フロックの移植  2018年8月28日

  
 「187節(続)スエヒロタケが生えたサトウキビ茎の水浸漬」で分離した緑色の微生物フロックをサトウキビの茎に移植したときの外観経過を写真1,2,3に示す。
微生物フロックの移植は茎を縦方向に半分に切断し、その切断面に移植した。
茎の表面は放置の進行とともに黒ずんでくる。
8月15日に茎を裏返してみたところ、切断面からスエヒロテケの子実体らしきものが発生した茎があった。




 
 写真4に8月16日の上面、側面、切断面の状態を示す。
 スエヒロタケ子実体らしきものが認められたのは上部フロック移植1のサンプルである。切断面には白い菌糸のコロニーができていた。
 上部フロック移植2には緑灰色のコロニーが、下部フロック移植1にはコロニーがなく、下部フロック移植2には薄紫色と緑灰色のコロニーができていた。

 
 写真5と写真6は上部フロック移植1に発生した子実体の拡大写真である。
 その形状からスエヒロタケの子実体である。


 スエヒロタケが生えたサトウキビ茎を水に浸漬したときに水中に増殖した微生物フロックの主体は緑色の光合成微生物であるが、スエヒロタケの菌糸体も共存していたと
判断できる。

 写真7には茎断面の微生物コロニーを示す。
 これらのコロニーをエビオス寒天培地に移植して、その生育状態を見ることにした。
 エビオス寒天培地はエビオス錠 5g、グルコース20g、寒天15gを1Lの水に溶解し加熱殺菌したものである。
 写真8は移植直後のコロニーの写真である。



 
 写真9はエビオス寒天培地の室温での放置開始時の状態である。
 写真10は茎のさらなる放置を開始したときの状態である。水で浸したタオルをかけ、毎日タオルを交換することにした。

 
研究日誌の目次に戻る