195. サトウキビ茎浸漬試験再開 2018年9月16日

 第188節でサトウキビ茎の水浸漬で生成した微生物フロックの通気培養を行った。
 その通気培養を終了した液に乾燥したサトウキビ茎を浸漬し再度室内に放置する試験を開始した。
 
 すなわち本節は第188節「(3)通気培養液へのサトウキビ茎の再浸漬」のその後の経過を記載したものである。

 写真1,2,3に示すように、乾燥茎を浸漬した直後は茎は完全に浮いていたが、時間の経過とともに水分を吸収して沈むようになった。
 光合成微生物のフロックは表面に浮遊し、その量は放置時間とともに増加した。
 別の実験でこの微生物フロックが必要になったので8月22日に一旦放置を止め、微生物フロックを濾過して分離した。
 濾液にはエビオス錠を添加して再度放置を続行している。


 
 
  写真4に回収した濾液と残渣(光合成微生物フロック)の状態を示す。
  No1からNo.5の水添加スラリーを合わせて別の実験に使用した。(写真5)
 
 写真5のスラリーの顕微鏡写真を写真6に示す。

 

 表1に水添加濾液と水添加スラリーのRGBを示し、T値=R+G+Bを計算した。
 濾液のT値は始発乾燥茎重量と強い負の相関があり、残渣スラリーのT値も同じく中程度の負の相関が認められた。
 すなわち、濾液の色は浸漬した茎の重量に比例して濃くなり、残渣スラリーの色も同じ傾向を示した。
 これは、茎から溶出した成分が光合成微生物の増殖に寄与していることを示唆している。
 
 前述のようにこの濾液にはエビオス錠を添加して放置を続行している。
 ビタミンやミネラルなどの微量栄養素はエビオス錠から十分に供給される条件で、今後浸漬したサトウキビ茎がどのように変化していくのかを
 観察していきたい。


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