201. タマリンド種子の色素 2018年10月25日

 199節外皮200節果肉につづき今回は種子の熱水抽出について述べる。

 その様子を写真1に示す。
 まずタマリンドの種子をフライパンで炒り①、パチッとはじけたところで②、少量の重曹を添加し③、水を入れて煮沸する④⑤⑥。
煮沸すると液は濃い紫褐色に染まった。



 煮沸を終了した液は写真2のように濾過して①、抽出濾液を得た。
残渣は再度熱水抽出し②、濾過すると③、ネバネバになった種子の皮⑤と種子の中身が残る④。
⑥は乾燥させた種子の中身⑦はネバネバの皮を乾燥したものである。

  抽出前後の種子の画像を写真3に示す。

 抽出前後の種子の平均RGBと色見本を図1に示す。
熱水抽出により明らかに色素が抜けていることが分かる。
 図2は種子抽出液のテッシュペーパー吸収色である。
 いずれも赤紫を帯びた褐色であり、食酢添加が最も薄く、無添加が中間、重曹添加が最も濃い色となった。
 
 図3はタマリンド種子抽出液での描画である。
 

 図4は外皮、果肉、種子抽出液の色見本とRGBを比較したものである。
 外皮と果肉の抽出液は濃縮したものであるのに対し、種子抽出液は濃縮していない。
 濃縮していないにもかかわらず、その色は最も濃い。
 外皮と果肉は糖蜜色に分類できるが、種子は食酢を添加したときのみ糖蜜色であり、無添加そして重曹添加では
 B>Rとなり赤紫色になった。
 

 種子抽出液を濃縮したらどれほど濃い色になるかを見たのが写真4であり、 テイッシューペーパー吸収色は真っ黒であった。

 濃縮液を水で希釈したときの色変化を写真5に示す。
テイッシュペーパー吸収色は赤紫色だが、液そのものの色は500~1000倍希釈で赤味を帯びた糖蜜色になる。
さらに希釈するとオレンジ色に変わっていく。


 タマリンドの実の部位で最も多くの色素を含むのは、種子の抽出液、正確に言えば種子皮の抽出液である。
 種子皮の抽出液には強い抗糖化作用が確認されている。(ワンダムおじさんの糖蜜色研究 Page324)

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