210.水に挿したサトウキビの側枝 2018年12月25日

 ローズマリーとラベンダーの花壇の片隅にサトウキビを植えたら写真1のように大きく生長した。
写真1にはこの巨大サトウキビを分別したときの状態を示す。
③の新茎はジュースを搾り、別の実験に使用した。
②は側枝がついた1年前の旧茎で、ここから分離した側枝が④である。


 この側枝を水を入れたバケツに挿してその様子を観察した。
 写真3のように、最初緑色だった葉は数日の内に黄色になり、そして枯れて糖蜜色になった。
 写真4の1月~2月の寒い時期には枯葉は若干抜け落ちたものの大きな変化はなかった。

 写真5は3月になって枯葉を除去して茎だけにしたものである。
 茎は枯れている様子はまったくなく、暖かくなったら新しい葉が出てくるのではないかと期待した。
 土に植えた茎は通常、遅くとも5月には新しい芽をだすのであるが、水に挿した茎は、芽を出すことはなく、6月になると表面が変色したきた。(写真6)


 7月になると茎表面の変色は進み、8月には黒ずんできて明らかに枯れ始めた。(写真7)。 表面の黒色化は9月、10月と進んだ。(写真8)


 11月~12月には黒色化した茎がそのまま維持された。


 写真10に空気中の茎表面の状態変化を示し、そのRGBの変化を図1に示した。

 茎の暗色化は6月上旬に始まり10月上旬に終わった。




写真11は厳冬であり、葉はすっかり枯れているにもかかわらず新しく発生した根である。


 写真12は枯葉をすべて除去した側枝の最下部を示す。
 水中ではさらに新しい根が発生していた。

 4月になると水中にオナガウジが多数棲息しているのを見つけた。いつのまにハナアブが卵を産み付けたのだろうか。(写真13)
 水中の根はさらに成長し、オナガウジがその根にまとわりついていた。



 しかし、5月末になると水の色が赤紫になり、それとほぼ時を同じくしてオナガウジが見られなくなった。


 
 6月にはいり空気中の茎にスエヒロタケが発生した。そして茎表面の暗色化が始まった。


 12月20日に水浸漬を終え、側枝全体の撮影を行った。(写真17、18)
 空気中の茎は枯れているが、水中にあった部分は枯れている様子はなかった。
 側枝の茎が枯れるのは酸素が十分にある空気中部分で好気的微生物によりおこると考えられる。
 もし、側枝全体を完全に水に浸漬したらそうなっただろうか、いずれその実験も行ってみたい。


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