218. 2018年生育サトウキビのシード法による黒砂糖つくり 2019年2月7日

 今年度の黒砂糖つくりは昨年のようなサトウキビの凍結障害がなかったため問題は発生しなかった。
さらに最終煮つめ後の冷却時に磨り潰した黒砂糖をシードとして添加することにより黒砂糖の固化は百発百中で成功した。
 収穫No.1のバッチNo.B1-1では従来通りシードを添加することなく固化に成功したが、B1-2,B1-3は1回目の煮つめで固化しなかったため
再煮詰めを行い再冷却時に2017年に製造した黒砂糖をシードとして添加したら簡単に固化することができた。(写真1)
収穫No.2では最初の冷却時に2017年に製造した黒砂糖をシードとして添加したところ、簡単に固化することができた。(写真2)


 収穫No.3~No.6は前バッチの鍋付着残をシードとして使用した。(写真2,写真3)


 写真4,5,6に黒砂糖の乾燥前後の状態を示した。いずれも良好な黒砂糖を得ることができた。




写真7には鍋付着残の回収例、写真8には回収した鍋付着残からのシードの調製例を示した。



 表1と図1に黒砂糖1kgあたりの最終煮詰めと冷却の所要時間を示した。
 当然ながら再煮詰めと再冷却を行ったB1-2,B1-3の所要時間は長い。
 またシード無しの場合は煮詰めの終点を厳密に決める必要があるために、途中から弱火にする必要があるため所要時間は長くなる。
 それに反し、シード有りの場合は終点をさほど厳密にする必要は無く、最初から最後まで強火で加熱することができる。
 またシードは最終に詰めの直後に入れても差し支えなかった。
 そのために、シード有りでは所要時間を大きく短縮することができた。
 シード法であれば温度計も使用することなしに、職人的感覚でけで容易に固化する黒砂糖を固化させることができた。



 表2と図2には対ジュースBrixかたりの黒砂糖回収率を示す。



 図3には鍋残の回収をしなかったNo.1を除いたデータにつき灰汁重量比率と黒砂糖回収率の関係を示した。
 黒砂糖回収率の低いバッチは灰汁の重量比率が高かった。

   

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