225.枯葉ホワイトリカー浸漬残渣の炭酸ナトリウム水溶液抽出 2019年4月2日

 前節のホワイトリカー抽出残渣を1%炭酸ナトリウムで抽出し水で洗浄した。
そのときの実験経過を図1に示した。



 抽出濾液の色調を図2に比較した。また抽出濾液のpHを図3に示した。



  
  

 各抽出液の紫外可視吸収スペクトルとOD220nmを100%としたときの相対ODスペクトルをそれぞれ図4-1,-2および図5-1,-2に示した。
 実際のODはその色の濃さによって当然ながら大きくことなるが、相対ODスペクトルは440nm以下の波長ではほとんど差がなかった。
 吸光度を対数にしたとき波長に対してほぼ直線となるいわゆる一般吸収を示し、腐植物質の吸収パターンである。

 
 
 表1にホワイトリーカー浸漬も含めた抽出回数とOD*液量のバランスを表1に計算し、図6にグラフ化した。
 これによればOD280nm(主としてポリフェノールの吸収と推定)は1回目の抽出液でおよそ45%を占めたが、OD420nm(腐植物質の可視部吸収)
は2回目の抽出液でおよそ50%を占めた。
 すなわち、ポリフェノールはホワイトリカーで主として抽出され、腐植物質は1%炭酸ナトリウムで抽出されたと言えよう。
 
 2回目から8回目までの抽出濾液を混合し、85%燐酸でpHを3.26まで低下させたときの様子を図7に示した。
 pHの低下により色は薄くなった。
 
 
 図8に示すように、pHを低下させた混合濾液をガスコンロで6.8倍に濃縮すると濃縮液にはすぐに沈殿の生成が
おこった。その沈殿を濾過で分離したのち1%の炭酸ナトリウム水溶液に再溶解した。(図9)
 

 濃縮液濾液と残渣(沈殿)溶解液の紫外可視吸収スペクトルを図10-1,-2にOD220nmを100%とした相対ODスペクトルを図11-1,-2に示した。
 画像では残渣溶解液が濃縮液濾液よりも明らかに暗色であるが、それは可視部だけで紫外部の吸収は濃縮液濾液>残渣溶解液であった。
 図11-2を見ると明らかなように残渣溶解液は可視部での相対ODが高くなっている。
 残渣(沈殿)は腐植物質の中のフミン酸に分類されるもので、濾液はフルボ酸画分である。
 
  抽出原料(粉砕枯葉)から抽出残渣、強熱残分までの外観を図12に相対重量変化を図13に示した。
 最終残渣は原料の59%で41%はホワイトリカーおよび1%炭酸ナトリウムで抽出されたことになる。
 最終残渣をガスコンロで強熱すると炎を出して燃焼し5%の強熱残分(灰)が残った。
 
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