230. 続サトウキビ茎浸漬 2019年4月28日

 本節は195節「サトウキビ茎浸漬試験」の続報である。
その経過写真を写真1に示した。、また各浸漬No.の経過を分かりやすくした写真2を示した。
それぞれの浸漬No.の由来は187節188節を参照されたい。
 各浸漬No.の経過はかなり異なっており、特にNo.1は赤みを帯びていた。





 写真3に浸漬終了時の状態を示した。
 No1.は水色が赤みを帯びており、微生物フロックは上部に浮遊していた。
 No.2は緑色の微生物フロックが下部に沈降していた。
 No.3は緑色の微生物フロックが上部に浮遊および下部に沈降していた。
 No.4は緑色の微生物フロックが全体に広がっていた。
 No.5は緑色の微生物フロックが上部に浮遊していた。
 茎表面の微生物フィルムはNo.1のみが赤みを帯びており,それ以外は緑色であった。
 No.5のみが茎表面への付着量が少なく、付着力も弱かったが、それ以外は付着量が多く粘着力も強かった。


 微生物フィルムの顕微鏡写真を写真4に示した。
 球状と糸状の微生物が存在するが、No.1,No.2は糸状が優勢、No.3とNo.4は糸状と球状が共存,No.5は球状のみであった。

 浸漬液は写真5のように濾過をして残渣と濾液に分けた。

 写真6には洗浄した浸漬茎の乾燥(食器乾燥機)前後の状態を示す。


 図1には濾過残渣の乾燥前後の重量を示す。
 濾過残渣の乾燥固形分はNo.2,No.3,No.4で多く,No.1,No.5で少なかった。
濾液の濁度から見て、No.1,No2は濾紙を通過する小さな微生物が多かった可能性がある。
 図2には浸漬茎の茎重量を示した。



 図3には浸漬前後の乾燥茎重量を示した。
 このデータを得ることが、本実験の最大の目的であった。
 浸漬によりサトウキビ茎は36%~46%減少した。(図4)
 茎乾燥重量の減少と濾過残渣乾燥重量とは図5に示すように正の相関があった。
 溶出した茎成分の種類と量および最初に移植した微生物フロックの僅かな差によってこのような差が現れたと考えられる。
 




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