344. サトウキビの水槽栽培2 2021年4月17日
 
 本節は第318節の続きである。
表1に示すように318節では2020年8月3日~10月26日の経過につき記録し、本節では2020年11月2日~2021年4月12日の経過を記録した。
10月6日に水槽ヒータを稼働させたのでその後は水槽温度は約25℃に保たれている。
ハイポネックスの添加量は1月18日までは抑制してきたが、1月25日より積極的な添加を開始した。
3月15日に枯葉を除去し、3月22日には水槽へのエアレーションを開始した。

 

 図1に水槽内液の変化を示す。
 図1-1 pH: 1月下旬まではpHは上昇傾向であり、それ以後は低下傾向である。
 pHの上昇は次の2つの原因によると考えられる。
 ①水槽内に共存しているシアノバクテリアが旺盛に繁殖し、炭酸イオンが低下している。
 ②ハイポネックスの添加量が不足し燐酸などのアニオンが不足している。
 1月25日にハイポネックスを積極的に添加するようになってからは、シアノバクテリアの繁殖も旺盛でかつpHは低下傾向となった。
 図1-2,図1-3:ハイポネックスの累積添加量の増加とともに電気伝導度も上昇している。
 今後、電気伝導度が2.0に達するまでハイポネックスを添加していく予定である。
 図1-4. 根の容積の増大に伴い3月22日より液量は最大の60Lとした。同時に根が酸素不足にならないようにエアレーションを開始した。


 写真1に水槽栽培サトウキビの経過を示す。
 露地栽培のサトウキビは真冬になると葉の緑は消失したが、水槽栽培では緑色は薄くなるものの消失することはなかった。
 水槽水の温度を25℃にコントロールしている効果であると考えられる。
 3月にはいり新しい芽が次々に出てきて、葉の緑も濃くなった。


 写真2-1と2-2はサトウキビを水槽から取り出して全体を撮影したときの経過である。
3月に入ってから新しい芽と根が出てきている。



 写真3には根の経過を示す。
 3月にはいり新しい根で出てきて4月にはそれが大きく生長してきた。


 写真4-1,4-2,4-3は水槽の上から見たときの経過である。
 この撮影を開始したのは2月15日でこの日に初めて新しい芽が出たことを確認した。
 その後、次々に新しい芽が出てそれぞれが大きく生長し、濃い緑色を呈している。




 今後の楽しみは、露地栽培と同じように茎が伸びていくかどうかを観察することである。


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