374. (続)松腐朽株残渣の室内放置 2021年12月25日

 本節は第228節の続編である。
 腐朽した松株残渣の破片を室内に放置し、蒸発水分を水道水の添加で補填した。
 その外観変化を写真1に示した。
 放置サンプルは適宜撹拌しており、次第に破片が小さくなっていった。
 2019年の6月頃から表面が緑色を呈しはじめ2020年の2月から11月は表面全体が緑色に覆われた。
 緑色の由来はシアノバクテリアの繁殖によるものと考えられる。
 2020年の12月から緑色が薄くなり始め、2021年4月には緑色と糖蜜色が混在するようになった。
 2021年5月3日にサンプルを良く撹拌すると、緑色は消失し完全な糖蜜色となった。(写真2)
 同時にサンプルはペースト状となった。


   

 腐朽残渣の粒子が次第に小さくなり、ペースト状になっていうことから、明らかに残渣の分解が起こっていると考えられる。
 主たる分解者は微生物であると考えられるが、写真3に示すように小さな虫が容器内を這い回っているのが見られたことから
 このような虫も分解に一役かっているのかも知れない。
  
 図1にサンプルへの累積添加水量を示した。
 総水添加量は470gでサンプル重量100gの4.7倍に達した。

     


 図2-1と図2-2に月次水添加量の推移を示した。
 水添加量が多くなるのは湿度が低くなる10月~4月であった。

    

    

 写真4に放置終了時のサンプルの顕微鏡画像を示した。
 僅かに球状のシアノバクテリアと糸状の微生物が見られた。

  
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