381. 加熱サトウキビジュースの沈降灰汁の分離 2022年1月30日

 2021年生育サトウキビジュースは前節で述べたように加熱時の浮遊灰汁は除去せず沈降した灰汁のみを回収した。
灰汁の沈降に使用した容器は昨年度の検討結果より浅鍋ではなく深鍋を用いた。(写真1)
しかし、今期の沈降性は悪く、液量が多くなると(すなわち液面が高くなると)、一夜の放置では重液層が高いことがわかった。
おそらく、浮遊灰汁を除去しなかったために灰汁沈殿が軽くなったためと考えられた。


  重液層を低くするためには沈降距離を短くするしかないと考え、収穫No.6では500mlおよび2000mlのペットボトルを沈降槽として使用してみた。
 予想どおり、低い重液層が得られ、サイホン分離をせずデカンテーションによって清澄な軽液が得られた。
 その状況を写真2に示した。

 表1に灰汁の沈降分離時のマスバランスを図1に軽液比率を示した。




 図2は分離前の総液量と軽液比率の相関を示した。
 深鍋使用の場合、総液量が大きくなるほど、すなわち沈降距離が長くなるほど軽液比率は減少する。
 一方ペットボトルを使用した場合は総液量が多くかつデカンテーション分離でも軽液比率は70%を超えた。



 今後沈降槽の大きさと形状をさらに工夫し、来期の収穫に備えたい。


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