6.チョコレート(2013年12月17日)

  私はチョコレートが好きで、ウイスキーを飲むときはいつもチョコレートをつまみにしている。ほどよい甘さとほろ苦さが実にウイスキーに合うのだ。
普通チョコレートはカカオマス(カカオ豆の胚乳を焙焼・摩砕してペースト状にしたもの)と砂糖、ココアバター、乳製品などを混合して作られる。
甘みは砂糖から苦みはカカオマスに由来する。栄養価も高く非常食としても有用なチョコレートであるが、太りすぎのワンダムおじさんがあまり甘いチョコレートを食べ過ぎるのは良くない。
  2006年の10月にタイから一時帰国して延岡に滞在していたとき東京に住んでいた娘が来てくれて、「お父さんチョコレートを食べるならこれを食べるといいよ」と進めてくれたのが写真①のポリフェノールを多く含んだチョコレートである。



 チョコレートのカカオマスにもお茶やコーヒーと同じく健康に良いとされるポリフェノールが含まれている。カカオマスを多く混合すればポリフェノール含有量も増加すると言うわけである。残念ながら私が食べられたのはカカオ72%までで、86%,99%のものは苦くて食べられなかった。やはり私は甘いものもアルコールも好きなので太るのだろう。
 写真②は1992年の年末にインドネシア スマトラ島のカカオ農園で見たカカオの実である。まだ小学生だった娘がカカオの木とともに写っている。



 カカオポッドの中にはカカオ豆が入っていて、以下のような目的で発酵される。(文献2)
 ①焙焼でアロマに変わるべき物質をココア豆中に蓄積すること。
 ②チョコレートらしい茶褐色の色調を発現すること。
 ③苦みや収斂味(舌がしびれるような渋み)を軽減する。
 
 写真③はタイのカセサート大学の学園祭で展示されていたカカオ豆の発酵の様子である。



 さて、チョコレート色は”糖蜜色”であるが、その色成分は①ポリフェノール②リグニン③メラノイジンだそうである。(文献2)
ポリフェノールとリグニンはカカオ豆に生合成によって蓄積されるが、メラノイジンは発酵や焙焼工程で生成される。
糖蜜色素の主体はもちろんメラノイジンである。

参考文献1) 蜂屋巌. チョコレートの科学.講談社、ブルーバッックス、1992年
参考文献2) 上脇達也,芦谷浩明.カカオの色成分とその生理効果.食品工業.2006-2.15

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