27.神去(かむさり)村 2014年7月24日
(1)はじめに
皆様は5月10日に公開された「WOOD JOB ! 神去なあなあ日常」という映画をごらんになっただろうか?
原作は「三浦しをん」、監督は「矢口史靖」、出演は「染谷将太」、「長澤まさみ」、「伊藤英明」などの豪華キャストである。
神去村という山奥の林業の村で都会から林業の研修に来た若者の成長を描いた笑いと感動の傑作である。
神去村のモデルは三重県一志郡美杉村(現在は津市美杉町)で私の生まれ故郷である。
映画のロケも主として美杉町でおこなわれ、今、美杉町は「WOOD JOB !」ブームにわいている。
7月21日の海の日に私は津市在住の従兄弟夫妻にロケ地を案内してもらった。
ここではロケ地を巡りながら杉の葉の緑と樹皮の「糖蜜色」を堪能していただきたいと思う。
(2)訪問地の地図
この地図は三重県津市が発行した「WOOD JOB公開記念、ロケ地&観光周辺マップ」から抜粋したものである。
赤色の番号がロケ地の場所を示している。これ以外にもロケ地はあるが、この地図では今回訪問した場所のみを示してある。
(3)北畠神社の杉の木
私は美杉村の多気(たげ:たきではなくたげと読む)の生まれであるが、多気出身者にとって北畠神社は誇りでもある。
南北朝時代から戦国時代に織田信長に滅ぼされるまでここに伊勢の国司北畠家があった。
神社には杉の巨木があり、子供の頃はそのまわりで良く遊んだものである。
杉の樹皮の色は糖蜜色である。(ワンダムおじさんの糖蜜色研究4.5 樹木の葉と樹皮の色 を参照)
(4)ロケ地と観光周辺マップ
伊勢奥津駅前観光案内交流センター地図やパンフレットなどをいただいた。
写真2中央がロケ地&観光周辺マップで、これを見ながらロケ地を探訪した。
その表紙で主人公の平野勇気(染谷将太)が登っている大木の樹皮も糖蜜色である。
(5)ワケあり美女
(6) WOOD JOB! 神去なあなあ日常記念館
(7)ロケ地地図①竹原地区の中村家撮影地
中村家は勇気やヨキが勤める林業会社の社長宅、中村家の表玄関として使われたとのこと。
美杉町にはこのような古くてりっぱな建物が多くある。
(8)ロケ地地図④八知地区のセンター街撮影地
八知地区は今も美杉町の中心地であるが、この撮影場所はほんとうの中心街よりかなり離れたところにある。
おばあさんたちがここで麻雀を打っているシーンがあった。
田んぼのまわりには鹿よけの柵があるが、撮影時はこれを撤去したとのこと。
(9)ロケ地地図⑤ 多気地区・旧多気保育園
北畠神社の隣にある旧保育園が神去小学校として使用された。
今は人口減少で閉鎖されている。
(10)ロケ地地図⑥ 八幡地区・中村家撮影地
中村林業の倉庫と広場である。緑の森を背景に屋根の鉄錆色(糖蜜色)が美しい。
(11)丹生俣への道
多気の丹生俣(にゅうのまた)地区の入口には「神去村、神去地区 入口」の表示があった。
原作者の三浦しをんさんのお父さんである三浦佑之氏(著名な国文学者)は丹生俣生まれ、おじいさんはここで林業を営まれていたそうだ。
(12)ロケ地地図⑦多気地区、直紀の家撮影地
(13)ロケ地図⑧多気地区、ヨキの家撮影地
丹生俣の奧地にあり、あと2kmほど奥に入ると車が通れる道はなくなる。
(14)ロケ地地図⑫多気地区・清流の里ぬくみ
この宿泊施設にある木製の風呂が中村家のお風呂として撮影に使用された。
宿泊者でないと中にはいることはできない。
私の生家はこのすぐ近くにある。今はもう家はなく国道になっている。
子供たちが川遊びをしているのを見ると幼かったころ、同じようなことをしていたのを思いだす。
(15)ロケ地地図⑪ 下之川地区・戸木橋
(16)おわりに
最後にもう一度写真を眺めてみると、7月の美杉町は緑一色で糖蜜色はめだたなかった。
緑は活性化している生命の色であり、糖蜜色は枯れゆく生命の色である。
夏が終わり、秋になると山々はしだいに糖蜜色が目立つようになっていくだろう。
今回、神去村探訪を「糖蜜色コレクション」に入れたのはかなり無理があるかもしれないがご容赦願いたい。
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