68. ノンシーの切株の色変化 2015年7月5日
今回も前節67に続きノンシーの木のお話である。
タイにいたとき日本人寮の庭の木が伐採されて真新しい切株の切断面が現れた。(写真1)
私は1年間にわたり、その切株切断面を撮影し続けた。(写真2,3,4)
図1にそのRGBとT値の変化を示した。
雨季が終わる10月末までは、R値がほぼ一定で、G値とB値が上昇していく。この間は赤みを帯びた糖蜜色である。
11月に乾季がはじまるとR値はゆっくり減少し、G値とB値はゆっくりと増加していく。淡い糖蜜色でこのころT値が最も高くなる。
翌年の4月にまた雨季が始まるとR値、B値、G値ともに低下し、かつ3つの数値とも150付近に収束して灰色となる。
図2はRGB%の変化を示した。
全期間を通してみると、R%は大きく減少、G%は緩やかに増加、B%は大きく増加して最終的にはそれぞれが33%に収束した。
これを見ていると、木が燃えて灰になってしまったような印象を受ける。
実際には糖蜜色の色素が重合して黒い色素となって切断面表面を覆い、株の内部を防護しているのだと思う。
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