75. コロッセオ  2015年9月22日

   私は長くタイに住んでいたので、その周辺諸国はだいたい旅行したことがあるのだが、ヨーロッパに行ったのは1回だけである。
 1998年のゴールデンウイークに家族(妻および子供2人)とイタリアを旅行した。
 このときの写真のいくつかを糖蜜色コレクションに加えたい。
  まずはローマのコロッセオである。

 
 

  コロッセオの色はR>G>Bで確かに糖蜜色の仲間なのだが、R,G,Bの差が大きくないのでくすんで見える。
その理由は、石材や煉瓦を連結したり上塗りするのに「ローマンコンクリート」なるものが使用されていたからだと思う。
これは石灰と火山灰を一定の割合で混合したもので、現在のコンクリート(ポルトランドセメント)とは組成が異なる。
鉄筋を使用せずとも長い間、形をとどめているのはその結合力が現在のセメントより強いからだとのことである。
 コロッセオができたのは日本で言えば弥生時代、そのころにコンクリートが使用されていたとはたいしたものだと思う。

 図1はコロッセオの種々の部分の色をR値の小さい方から大きい方へと並べたものの色見本である。
くすんだ糖蜜色の配列は鉄錆や枯葉のように滅びに抵抗する美しさを持っている。

 

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