85. メコン河岸での酒づくり 2015年11月21日
ルアンパバーンのメコンクルーズでパクウー洞窟へ行く途中でバーンサンハイというラオ・ラーオ(ラオスの焼酎)を造っている村に立ち寄った。
ラオ・ラーオの製法は図1に示すとおりである
写真1は麹、写真2は壺での固体発酵の様子である。
蒸溜方法について写真3のような説明図が描かれたいた。
①醪をドラム缶の底に入れて加熱すると ②アルコールを多く含んだ蒸気が発生する。
これをドラム缶上部の容器にいれた水⑤④で冷却し、凝縮液③を回収するのである。
写真4、5、6に蒸留の状況を示す。
土産物店では種々の蛇やトカゲなどを漬けた強壮酒が販売されていた。
私はさすがにコブラ酒は遠慮したが、写真9の3種の酒を購入しバンコクのアパートに持ち帰って味わってみた。
無色透明の酒が蒸留酒ラオ・ラーオであり、有色のものは蒸留していないと思う。
色は原料の米の色によって変わるということである。(写真10)
江口まゆみ 著 「女二人東南アジア酔っぱらい旅」(光文社 2002年)にバーンサンハイについての記述があった。
この村の状況が良く分かるのでその一部を以下に引用させたいただく。
Page130
「メコンのほとりでメコンの酒を
村の中を通って、川へ向かう。どんどん酒の匂いがキツくなる。急な斜面を下りると、川岸に酒造りの小屋が点々と建っている。
酒は壺や鍋で細々と造っているのかと思いきや、なんとドラム缶で造られていた。薪でドラム缶を下から熱し、上からは蒸留を助けるため,水をかけて冷やしている。
酒造りをしているのは、なぜかみんな女だった。子供たちも薪を担いできたり、水を運んだりとよく働いている。
かたわらには、素焼きの壺がいくつもあり、米を発酵させているらしかった。
村の田んぼでとれた米に麹を混ぜて、壺にいれておきさえすれば、この熱帯モンスーンの気候で、いい具合に発酵するのだ。
もちろん、水はメコン川から汲んでくる。まさにこの酒はメコンの大地の恵みなのである。
村人が、つくりたてのラオ・ラーオをついでくれた。まだ少し温かい。メコンのほとりで、メコンの民の酒をゴクリ。最高の気分だ。」
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