87. 黄金の木 2015年11月22日

 ルアンパバーンのワットシェントーン(ワットはラオス語で寺の意味、すなわちシェントーン寺)の本堂の背面は「マイトーン(マイは木、トーンは黄金、すなわち黄金の木)」が描かれた壁がある。
「地球の歩き方ラオス’07-08」ではワットシェントーンについて次のような説明がある。
「①1560年、セータティラート王によって建立された寺院。ルアンパバーン、そしてラオスの寺院のなかで最高の美しさを誇る。
②ワットシェントーンのある場所には、かってビエンチャンの商人、チェンターバニットの自宅があったと言われている。チェンターバニットは、ある日、「北部に塩を持って行くと金持ちになれる」という夢をみた。
 彼はルアンパバーンに塩を舟で運んで商売を始め、一財を築く。その業績をたたえて、チェーンタバニットの死後、この場所にワットシェントーンを建立したと伝えられている。
③本堂は「ルアンパバーン様式」といわれるスタイルで建てられており、優雅にしかし大胆に湾曲した屋根に最も特徴が出ている。
 屋根の傾斜は、ビエンチャンの寺院よりも緩く、幾重にも重なるようなデザインが特徴的だ。
 外壁も金の彫刻で彩られているが、必見は背面の壁に装飾された「マイトーン(黄金の木)」。かって、ここに立っていたと伝えられる高さ160mの大樹がモチーフになっており、仏教に関する物語がモザイクで表現されている。」

 ワットシェントーンの本堂の屋根は紫色をしている(写真1)。その本堂の背面の壁にあるのが「黄金の木」だ。(写真2)





 私にとって何よりも嬉しかったのは、背景が「糖蜜色」に塗られていたことだ。
「黄金の木」の全景と背景色のRGB値を写真3を元に測定した。



 この糖蜜色は場所によってムラがあり、光の当たり方によっても違う。
表1にT値の大きい順(明るい順)に並べた。
常にR>G>Bであり、典型的な糖蜜色である。

 
 写真4~9に各部分を拡大した写真を示す。
写真6の右下にあるのは「蜂の巣」だとガイドさんから説明を受けた。
 

 この大樹を中心にして多くの生物が生きている。「黄金の木」は別名「生命の木」とも呼ぶらしい。
私には「生命の木」というほうがしっくりくる。
生命の木を支えているのが背景色として塗られている「糖蜜色」だと考えれば、我が意を得たりである。

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