159. いにしえの赤色 2017年5月18日

 西都原(さいとばる)考古博物館で「色が語るいにしえの技と心」という特別展示をやっていたので見に行った。(写真1)

 
 
  図1のパンフレットに示すように、「赤」「黒」「青」「緑,赤,黄」「白」「金属色」などが、展示されていたが、ここでは私が最も興味をもった「いにしえの赤」について紹介しよう。
 

 説明パネルには「赤」について以下のように記載されていた。
 「赤は命の源である血液と同じ色であることから、命の再生や転じて邪悪なものを封じる色とされた。
 人々は赤に宿る力を心地、土器や埋葬私設、人骨にまで赤彩を施した。」

 ①世界最古の赤色顔料塗布土器(写真2)
 
  ②ベンガラの貯蔵に使われていた土器(写真3)
 
 ③丹塗りの土器(写真4)
  
 ④朱玉(写真5)
 
 ⑤赤彩の墓室壁面(写真6)
 
 ⑥赤色顔料が塗布された棺材片(写真7)
  

 ⑦赤色顔料の付着した頭骨(写真8)
  

 糖蜜および展示品(サンプル)のR vs. G,B プロットを行い、糖蜜のプロットと近いサンプルの色を「糖蜜色」と判定した。(図29
 その結果を表1に示す。
 いにしえの赤色には糖蜜色が多い。

 
 
 
 赤色顔料の原料についても展示してあったので、それを写真9に示す。
 当時の赤色顔料として使用さらたのは「ベンガラ」が圧倒的に多い。
 ベンガラについては80節「浅草寺の弁柄色」にも記載した。

 

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