202.ゴムの木 2018年3月17日
はるか昔、高専の学生のとき工業化学概論で天然ゴムの加工法について勉強し(図1)、ゴム加工工場への見学にも行った。
しかし、ゴムの木から原料のラテックスをとるところを初めてみたのはタイに赴任してからであった。
写真1と写真2は1989年の年末にタイからマレーシアへ観光に出かけたときに、ガイドさんにゴム園を案内してもらったときのものである。
小学生だった子供たちが、ゴムの木の樹皮につけた切り口からラテックスが出ているところに見入ったり、紐のようにかたまったラテックスを引っ張ったりしている。
タイもマレーシアやインドネシアとともの天然ゴムの代表的な産出国である。
広い自動車道路のすぐ横に整然と植えられたゴムの木を見ることができる。(写真3,写真4)
ゴムの木(パラゴムノキ)は常緑樹であるので、紅葉はしないと思っていたのだが、タイの友人はゴムの木の葉も紅葉するという。(写真5,写真6)
日本の秋の鮮やかな紅葉とは違い、葉が落ちる前に色が変わることを言うのだと思う。
ラヨン県のゴム農園では農場主がラテックスの採取方法を実演していただいた。(写真7)
切り口からは写真8のように、すぐに白いラテックスが浸みだしてきた。
写真9はラテックスを集めた容器である。
樹皮に付けた切り口はまぎれもなく糖蜜色だ。そこから浸みだしてくる白いラテックスはコーヒーに入れた瞬間の
ミルクのように美しいコントラストを見せてくれる。
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