246.放置したモミジとサザンカの葉の変色 2018年10月15日
研究室の庭のモミジ(イロハモミジ)とサザンカの背丈が伸びすぎて電線に届きそうになったので、枝を切断して屋外に放置した。(写真1,2)
屋外に放置したときの葉色の変化を写真3に示した。
月日の欄を水色で網掛けしてあるのは雨が降って枝葉が湿っている状態である。
モミジの緑色はすぐに変色して糖蜜色になるのに対し、サザンカはゆっくりと変色した。
そのRGBを測定し表1に示した。
図1にはG/Rの変化を乾(濡れていない)と湿(雨で濡れている)に分けて示した。
モミジのG/Rが1.0を切るのは9月11日、すなわち切断してからわずか4日である。
一方サザンカの場合は9月21日、すなわち切断してから14日後のことである。
図2にはB/Rの変化を示した。
乾状態と湿状態ではB/Rの値は大きく異なっており、モミジは乾>湿でサザンカは湿>乾であった。
またモミジは乾の場合に経時的にB/Rが上昇した。乾の場合は紫を帯びた糖蜜色になるのに対し、湿の場合は赤を帯びた糖蜜色になる。
サザンカは乾であっても湿であっても典型的な糖蜜色に変色する。
モミジの葉の緑の退色が早く、サザンカの緑の退色が遅いのは、モミジが落葉広葉樹でありサザンカが常緑広葉樹であるゆえんであろう。
落葉広葉樹の葉の寿命平均値は327日であるのに対し、常緑広葉樹は712日である。さらに常緑針葉樹は1550日である。
(ワンダムおじさんの糖蜜色研究 285ページ 図158参照)
コレクションリストに戻る