267.加熱サトウキビジュース沈殿物の室内放置 2019年2月13日
サトウキビジュースを煮沸すると浮遊する灰汁と沈降する灰汁が出てくるが、本節では沈降する灰汁を1年間室内に放置したときの色変化について述べる。
使用した沈降した灰汁(沈殿物)は2018年2月12日に分離したものである。すなわち自然沈降させた重液を濾過で分離した残渣である。
これを写真1のように丼にいれラップをして室内に放置した。(写真1)
沈殿物放置経過の写真を写真2と写真3に示した。
最初沈殿物は緑色をおびているが、すぐに淡い糖蜜色に変わり、その糖蜜色が濃くなっていった。
しかし10月22日に沈殿ケークに亀裂がはいり、水分が分離して表面に移動し、光を反射して再び淡い糖蜜色を呈した。
放置沈殿のRGBを図1に、T値(R+G+B)を図2に示した。
10月22日まではRGB、Tとも減少して暗色化していくが、それ以降は上昇して明色となり、12月以後はほぼ一定となった。
図3に示すように、最初の沈殿はGが高く、Bが低いが、すぐに一定比率となりR%>G%>B%の糖蜜色となった。
図4にはG/R、B/Rの変化を示した。G/Rは放置後低下し,2ヶ月以後には一定となった。B/Rは放置後上昇しこちらも2ヶ月以後には一定となった。
写真4には約1年間放置した沈殿物の60℃乾燥とガスコンロ強熱の状態である。
乾燥後は乳鉢で容易に磨り潰して粉末にすることができ。強熱により火炎を上げて燃え、わずかな白い灰分が残った。
図5に放置前後の沈殿物のRGBを放置前後で比較した。
Rはほとんど変化しないが、Gが減少し、Bが増加している。
図6に放置前後の乾燥固形分を比較した。
放置中の蒸発により固形分は30%から45%に増加した。
沈殿物を室内に放置したら、私はすぐに微生物が繁殖し、沈殿はカビなどのコロニーに覆われてしまうことを予想していた。
ところが、そのようなことはまったくおこらなかった。
沈殿物の中に抗菌性物質が存在していることが考えられる。
コレクションリストに戻る