276. テントウムシ 2019年4月12日
春になるとサトウキビの切株や落ちた枯葉にたくさんのテントウムシが見つかるようになる
写真1,2,3にその様子を示した。
テントウムシの成虫はその水玉模様がとても可愛らしい。
若い方はご存じないかもしれないが、1973年にヒットしたチェリッシュの「てんとう虫のサンバ」は当時21歳であった、私の懐かしい曲である。
サトウキビ畑の端には雑草が生えていて特に今年は「カラスノエンドウ」が茂っている。
ここにもたくさんのテントウムシが棲んでいる。その様子が写真4である。
写真4の羽の色のRGBと色見本を図1に示した。T値の大きい順に並べたものである。
朱色、橙色に加え明るい糖蜜色が多い。特に影になったところでは糖蜜色に見える。
可愛い成虫と異なり蛹はややグロテスクである。
写真5に蛹の写真を図2にそのRGBを示した。
幼虫となると蛹以上にグロテスクであり、とてもこれが可愛らしいテントウムシになるとは想像できない。(写真6)
カラスノエンドウの先端部には緑色のアブラムシが繁殖していて、これが幼虫も成虫も大好物である。
蛹を毎日観察し続け、ついに蛹からテントウムシの成虫が出てくる瞬間をとらえることができた。
出たきたばかりのテントウムシの羽は黄色一色で有り、黒い斑点はまだできていない。
写真8はサトウキビの切株にいた蛹を観察していて、蛹から出てしばらくした時の羽化の様子である。
成虫がとまっているのは脱皮した蛹ではなく、その下にある別の蛹である。(写真9)
なぜか、別の蛹に食らいついていて、共食いしていたのかとも思ったが、この別の蛹は羽化した成虫が離れた後も逆立ち運動をしていたので
そうでもなさそうである。
写真7の成虫はまだ斑点ができていないが、写真8では時間経過とともに斑点が濃くなっていく様子をとらえることができた。
硬い斑点のある硬い羽を「さや羽」、さや羽の下にある薄い羽を「後ろ羽」というらしい。
羽化のときにはこの「後ろ羽」がとびだし、さや羽の斑点が濃くなるころに引っ込むことも観察できた。
図3は斑点のRGB変化、図4は羽のRGB変化を示した。
また図5,図6,図7,図8にはそれぞれR,G,B,Tを斑点と羽で比較して示した。
R,G,Tは時間とともに斑点と羽の差が大きくなったが、Bだけは最終的に差がなくなった。
写真9に羽化を撮影したときのサトウキビの切株を示す。
「撮影中」の写真には座り込んで撮影しているときの私の靴である。
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