289. スモモの皮と種 2019年6月26日

 第287節で分離したスモモの皮を写真1のようにホワイトリカーと混合して5日間室温にて浸漬した。


 浸漬終了後、濾過により濾液と残渣に分離した。
写真2は残渣の洗浄回数と濾液の色を示したものである。
5回の水洗で濾液は無色透明になった。
 
 洗浄した残渣の色調を写真3に示した。
 その色調は典型的な糖蜜色であった。



 濾液は写真4に示すようにホットプレートで濃縮後、60℃の恒温槽で蒸発乾固した。


 濾液の蒸発乾固物は飴状で皿への付着力が極めて強く、スプーンでの掻き取りで回収することはできなかった。


 写真6は濾液を水で希釈し1%燐酸と1%炭酸ナトリウム水溶液を添加したときのpHと色調の変化を示したものである。
 酸性では赤色が濃くなり、塩基性では赤色が消失し黄色になった。

  

 図1にはpHを調整し100mlにFill up した濾液の紫外可視吸収スペクトルを示した。
 pH2.55とpH2.76では可視部の509nmにピークがあり、これが赤色を呈する理由である。
 pHの上昇にともない509nmのピークは消失し、長波長から短波長へ上昇する吸収となるため液は黄色を呈するようになる。
 紫外部ではpH2.55~pH7.91では280nmにピークがあり、pH 9.4以上では370nmにピークが認められた。
 
  図2には濾液のpHと可視部ODの関係を示した。
  OD700,650,600は低いpHではほぼ0であり、pHの上昇に伴い増加した。
  OD550,500,450,400はpH3以下と塩基性側で増加した。

   


 洗浄し乾燥した種の色調を写真7に示した。
 皮残渣と同じく糖蜜色であった。



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