290. スモモの皮の色素 2019年6月27日
前節でスモモの皮のホワイトリカー浸漬濾液を蒸発乾固したところ飴状になり回収不可能であった。
そこで飴状乾固物に無水エタノールを添加して掻き取ったところほぼすべてを回収することができた。(写真1)
無水エタノールでは不溶解の沈殿部分と可溶の部分が存在し、これを写真2のように自然沈降で分離した。
自然沈降の上澄みは写真3のように濾過して、濾液は写真4のようにホットプレートで濃縮した。
濃縮濾液と沈殿物は写真5に示すように、60℃で蒸発乾固した。
濃縮濾液の乾固物は飴状ではないがペースト状で固体としての回収は困難であった。
沈殿物の乾固物は固体としての回収は可能であったが、乳鉢で磨り潰そうとすると飴状になった。
そこで、両画分に適当量の水を加えて混合した。
エタノール不溶画分は水にも溶解しない部分があった。
エタノール可溶画分は完全水に溶解した。
次に皮の浸漬に用いたホワイトリカーと同じ35%エタノール濃度に調整したところ、エタノール不溶画分も完全に溶解した。
さらに35%エタノールで適宜希釈して分光光度計で測定できる範囲の濃度に調整した。
その経過を写真6に示した。
エタノール可溶画分は赤色であり、不溶画分は赤みを帯びた糖蜜色であった。
35%エタノール希釈液の紫外可視吸収スペクトルを図1と図2に示した。
エタノール可溶部は530nmに吸収ピークが認められたが、エタノール不溶部はそのようなピークはなく短波長から長波長に
低下する吸収パターンを示した。
このパターンこそが糖蜜色を呈色する理由である。
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