345.ウイスキーの紫外可視吸収スペクトル 2020年4月1日

  ウイスキー党の私である。
 今まで第10節と第209節にウイスキーのことを書いた。
 何と言ってもその典型的な糖蜜色が素晴らしい。
 糖蜜色研究家の私としては麦から造られるウイスキーよりもサトウキビから造られるラム酒を愛さなければいけないのだが、
 味といい香りといい、やはり私はウイスキーが好きである。
  今回は、7種類のウイスキーのミニボトルを購入し、その紫外可視吸収スペクトルを測定した。
 表1に各ウイスキーの特長と透明ガラス瓶に入れたときのRGB値を示した。(図6)
 尚、特長については文献1「洋酒手帳」より引用した。
 

 

 水で50倍希釈したときのウイスキーの紫外可視吸収スペクトルを図1に示す。
 200nm付近と280nm付近(正確には278nm)にピークが認められた。
 図2には以前に測定したラム酒の紫外吸収スペクトルを示してある。(こちらは100倍希釈である。)
 ラム酒は200nm付近の吸収はピークではなくショルダーであるが、280nm付近のピークはウイスキーと同じであった。
 280nm付近に吸収を有する物質の大部分は樽で貯蔵中に樽材から溶出するものと考えられる。
 ラム酒のNo.1のように樽貯蔵してないものも若干の280nmの吸収はある。

 
 図3-1、図3-2、図3-3にそれぞれOD420nm、OD278nm、OD200nmを比較した。
 OD420nmは色度を示すものであり、色の明るさを示すT値と負の相関がある。
 OD420nm、OD278nm、OD200nmともNo.3ジャックダニエルとNo.5メーカーズマークが高い。これらはアメリカ産のバーボンである。
 ついでNo.7の山崎が高い。
 No.1 シーバスリーガル, No.2 ザ・グレンリベット、No.4 ジェムソンは低かった。
 No.6 オールドパーはOD420nmは高いが、OD278nmとOD200nmは低かった。

 図4にはOD間の相関を示した。
 何れも正の相関があるがNo.6のオールドパーはOD420nmが高い割にOD278nmとOD200nmが低かった。




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