357. スモモジュースの酵母発酵 2020年6月25日
昨年と同じく今年もスモモの果実を収穫した。
写真1と図1にその収穫量を示した。
このうち6月12日~13日に収穫したものは家族で生食し、6月15日に収穫したものはジュースを絞って酵母発酵してみた。
写真2に酵母発酵の実験経過を示した。
使用した酵母は製パン用のドライイーストで、発酵は室温で約3日間行った。
図2に実験データとマスバランスを示した。
濾液のエタノールを測定してみると14%あり、明らかにアルコール発酵が起こっていた。
図3に発酵経過を示した。
発酵にともない培養液の重量は減少(3-1)、Brixも減少した。
pHは最初2.95であったが発酵終了時には3.2まで上昇した。(3-3)
温度変化を3-4に示す。
発酵濾液を先進分離して(写真3)軽液を集め試飲してみた。(写真4)
確かに酒にはなっていたが、とても酸っぱく、少し飲んだだけでもう飲めなかった。
果実のほんのりとした甘味は当然糖がアルコールに変わったので、完全になくなっていた。
pHが低く,Brixがまだ4以上あるところから多量の有機酸が残存していると考えられる。
スモモの有機酸はクエン酸やリンゴ酸だそうである。
図4に発酵軽液の紫外可視吸収スペクトルを示した。
280~350nmのピークはおそらくポリフェノールであると考えられ、有機酸もたっぷり含まれていると考えると健康増進効果が期待できるだろう。
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