401. 豚肉加熱時の色変化 2021年3月14日
第399節では牛肉加熱時の色変化について述べたが、本節では豚肉を加熱したときの色変化について述べる。
写真1はシャブシャブ用豚肉の加熱前後の状態である。
図1には同じく加熱前後のRGBの変化を示した。
加熱により赤色が消失するのは牛肉と同じであるが、加熱前も後も牛肉より薄い。
写真2はフライパンに水とシャブシャブ用豚肉を加熱したときの変化である。
図2にRGB%の変化を図3に白色度(T/(255*3))の変化を示した。
加熱により油脂が出てくることもあり、白色度は極めて高い。
豚肉の加熱前の赤色および加熱後の糖蜜色が牛肉より薄いのは図4に示すように豚肉のミオグロビン含有量が牛肉に比較して圧倒的に
低いからである。
しかし、同じ豚肉でも生ハムは赤色は濃い。
その理由は発色剤として亜硝酸ナトリウムが添加されているからである。(写真3)
写真4に加熱前後の生ハムの状態を、図5にRGBを比較して示した。
加熱後も糖蜜色にならずピンク色をしている。
写真5は加熱時の経過を示す。
図6はRGB変化を図7は白色度の変化を示す。
加熱終了時の白色度は80%であり、豚肉の92%のように白くはならない。
文献1には酸素、亜硝酸イオンのミオグロビンの状態におよぼす影響がうまく整理されている。
生ハムのミオグロビンはニトロソミオグロビンで赤色であり、加熱によりニトロソへモクロムの桃赤色となる。
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