406. タンポポコーヒー 2021年4月12日

 コーヒーが無いときタンポポの根を焙煎して代用コーヒーにしたという話は太平洋戦争末期のテレビドラマでたびたび見かける。
タンポポコーヒーというのはいったいどんな味がするのだろう。
 自分で作るのは面倒なので早速通信販売で購入してみた。(写真1)



 ティーバッグのタンポポコーヒーをいれているときの様子を写真2に示した。
 急須やマグカップが汚れているが、これは私にとっては決して汚れているわけでない。
 お茶を飲んだ後、マグカップは水洗いするだけにしたらどこまで茶渋が付着するかを観察しているのである。
 さて、その味であるが、確かにコーヒーに近い苦味がした。しかし、香りが徹底的に違う。
 タンポポコーヒーにはコーヒーのような素晴らしい香りはない。



 表1にはタンポポコーヒーと通常のコーヒーの熱水抽出液を調製し比較した。


 図1には熱水抽出濾液の紫外可視吸収スペクトルを、図2には代表的なODの値を比較した。
 タンポポコーヒーと通常コーヒの紫外可視吸収スペクトルのパターンは大きく異なっていた。




 タンポポコーヒーは通常のコーヒーの代替にはなり得ないと思う。
 しかし、表2に示すようにタンポポの根には有効な生理活性成分が種々含まれているので、健康茶として飲むのが良いであろう。
 コーヒー酸やクロロゲン酸は普通のコーヒー豆の主要成分でもある。


 コレクションリストに戻る