417. スイバ 2021年6月26日
スイバについて「身近な薬草:婦人生活、1984年10月発行)には以下のように記載されている。
「春早くに、茎をたてはじめ、他の草がやっと、芽を伸ばしきったころ、もう、スイバは茎の先に花をびっしりとつけます。花といっても、紅色を帯びた茶色です。
葉は噛むとすっぱいので、スイバの名がついています。葉は柔らかいので、ゆでて酢みそ和えなどにすると、結構おいしいものです。
大きな株になったものを掘りとると、地中に太い根があります。黄みを帯びています。ギシギシと同様、薬草のダイオウに近い種類だということが、根を見ると良く
分かります。
薬用部分・効き目:たむしなどの寄生性皮膚病に、生の根茎をすりおりして塗る。また、効き目は弱いが緩下剤として用いられる。」
写真1は自宅に近い田んぼの周辺のスイバである。
私がスイバについて観察してみようと思ったのは、枯れたときの色が見事な糖蜜色であるからだ。(図1)
写真2は私設研究室の隣の丘に生えたスイバである。
花はしだいに赤味を増し、そして散っていく。
写真3は母屋花壇(第298節、第341節、397節)のサトウキビとスイバである。
最初緑色の花穂は日が経つにつれて赤味を帯び、そして散っていく。サトウキビの蘖も生長しているのが分かるだろう。
写真4は玄関扉のコンクリートの隙間に生えたスイバである。
ほんの少しの隙間があれば生えてくるその生命力はすごいものだ、引き抜こうとしても根はコンクリートの下にあって掘り取ることはできないのでまた来年も
生えてくるだろう。
途中で花穂が扉に挟まれ折れてしまったが、下の葉はどんどん大きく生長し、最後は枯れていった。
写真5は研究室の庭に生えたスイバである。緑の花穂が赤味を帯び、最後には花も葉もなくなり糖蜜色の茎が残った。
写真6は花穂の変化を追ったものである。
花が減少していく様子が良く分かる。
図2は写真6の茎のRGBとRGB%の変化である。
B値はほとんど変化しないが、Rが増加し、Gが減少し、緑から糖蜜色に変色する。
写真7は母屋花壇のスイバを掘りとったものである。
写真7の根を屋外に放置しておくとダンゴムシがたくさん集まってきた。
その理由はわからない。
写真9は研究室の庭から掘りとったスイバである。写真7と違って葉はすべて枯れている。
写真10に写真9のスイバの根(根茎)を集めた十分水洗したものの状態を示した。
これをホワイトリカーに浸漬する実験を実施しているところである。
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