15. サトウキビ由来物の抗酸化活性 2014年4月25日

 抗酸化物の抗酸化活性を表す指標としてORAC:Oxygen Radical Absorbance Capacity(活性酸素吸収能力)がある。
この測定原理については(財)食品分析開発センターSUNATECの下記サイトを参照されたい。
食品の抗酸化力評価の提案
 
 さて、糖蜜などのサトウキビ由来物のORACについては下記の文献に記載されている。
Michael Saska, Chung Chi Chou. Antioxidant Properties of Sugarcane Extract. Proceedings of First Biannual World Conference on Recent Development of Sugar Technologies, Delray Beach. FL, May16-17,2002
 
 また、ORACの大きい順に抗酸化活性の強い食品トップ100が下記ブログに記載されている。
Top 100 High ORAC Value Antioxidant Foods

 この2つの情報を組み合わせて、サトウキビ由来物のORACが抗酸化活性の強い食品のどの位置に存在するかを示したのが表1である。





 
  ORACの高い食品を分類すると図1のようになり、トップ25はスパイス/ハーブ類が多い。トップ26~50およびトップ51~75ではスパイス/ハーブ類と果実類が同程度に多い。トップ76~100では果実類が圧倒的に多い。



 サトウキビ由来物のうち、シロップおよびシロップから抽出濃縮したエキスのORACはトップ25に相当する。原料ジュースと糖蜜の一部(糖蜜B)はトップ26~50に相当する。大部分の糖蜜(糖蜜D,C,A)は51~75に相当する。
糖蜜Eは純粋なサトウキビ糖蜜ではなくコーンリカーへ少量配合したものであり、トップ76~100に相当する。
いずれにせよ、サトウキビ由来物のORACは高い部類に入ると言える。

 表2に糖蜜5種の分析値を示す
この表の色度とORACの値をプロットすると(糖蜜Eは除く)図2に示すように強い正の相関が認められた。
オリジナルの文献ではこの理由は不明であるとしているが、表3で非糖有機物濃度を推算して色度とプロットすると図3のような相関が得られることから、非糖有機物の大部分は糖蜜色をしており、糖蜜色物質が強い抗酸化活性を有しているものと私は考えている。







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