35. ロックシュガーの加熱色 2014年8月30日
(1)はじめに
ロックシュガー(氷砂糖)を加熱していくと糖蜜色に変色する。それではタイ薬草のウオッカ抽出液に浸漬したロックシュガーを加熱すると糖蜜色の変色は抑えられるだろうか。
もし、抑えらられればそのタイ薬草にはメイラード反応抑制効果があるかもしれない。(ワンダムおじさんの糖蜜色研究、 6.4 生体内メイラード反応を抑制する物質、)
(2)方法
写真1に示すように、ロックシュガーをウオッカ抽出液に1週間浸漬後、濾過分離し、その1片をステンレス皿にのせてホットプレートで加熱した。
加熱終了点はロックシュガーが溶融する点とした。
加熱後のロックシュガーを一定量の水に溶解し、テッシュペーパー(TSP)に吸収させ、RGB値を測定した。
(3)44種類の薬草抽出液についての試験結果(写真2、表1)
(4)実験結果の解析
T値の大きい順、すなわち暗色化程度の小さい順にならべたのが表2である。
さらにロックシュガーのみを加熱した場合のT値を100%として各サンプルの相対T値を計算した。
相対T値が100%を超える物は、メイラード反応(今回の系にはアミノ化合物がはいっていないので、正確にはカラメル化反応)を抑制し、100%未満のものはこれを促進している可能性がある。
「ワンダムおじさんの糖蜜色研究」表30で示した「メイラード反応抑制作用が期待される薬草」はさらなる確認試験をして選んだものであるが、No.38シナモン以外はすべて相対T値が250%以上
のものであった。
修正2014年9月14日:表30に誤りが見つかった。表30の中でNo.6シナモンは下表2でNo.38に相当するが、正しくはNo.28のコショウ(白)であった。
解析中にNo.28をNo.38と読み違えたまま進めてしまった大きなミスである。深くお詫びして訂正させていただく。
(5)おわりに
このような方法で「生体内メイラード反応を抑制する物質」を見つけるなどと言う試みは拙著にも記載したとおり、きわめて粗っぽい方法である。
しかし。趣味の研究としてはなかなかおもしろい。
特にロックシュガーが加熱溶融して、種々の糖蜜色パターンを呈するのを見ることは、私にとっては宝石をみているようであった。
最終的に選択した「メイラード反応を抑制する可能性のある薬草」の確認試験については後日紹介したい。
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