36.バナナ皮切片放置条件と褐変速度 2014年9月1日
(1)はじめに
バナナの皮の褐変速度はその水分含量に依存し水分が少なくなるほど褐変速度が大きくなる。(22.バナナの皮の黒変)
また、バナナ皮の黒変はポリフェノールオキシダーゼによるものであると言われている。
そこで、今回はバナナ皮を煮沸してポリフェノールオキシダーゼを失活したものと、無処理の皮を下記3条件で室温に放置してその色変化を記録した。
①シャーレの蓋をしないもの(乾燥により早く水分が失われる)
②シャーレの蓋をしたもの(乾燥速度は遅く、水分はゆっくりと失われる)
③テッシュペーパー(TSP)を水で濡らし、シャレー底に敷き、蓋をしたもの。(水分は長く残っている。)
(2)経過写真
(3)RGBT値の測定
右下の皮切片のRGBTを測定し表1に示した。
(4)放置時間とT値の関係
(5)結果
①煮沸してポリフェノールオキシダーゼ(PPO)を失活した場合、蓋なしの場合のみ褐変速度が大きい。
乾燥による褐変はPPOとは無関係である。
②煮沸せず、PPOが失活させなかった場合、蓋なし、濡れTSPともに褐変速度は大きかった。
蓋をしただけの場合は350hrまではむしろ明色化していく、350hr以後急激に暗色化する。
350hrで暗色化が始まる限界水分に達すると考えらる。
(6)おわりに
皮切片の水分が低下したときにおこるPPOが関与しない暗色化はどのようなメカニズムによって起こっているのだろうか?
興味はつきない。
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