46.放置したサトウキビショウトウ部と葉の変化 2014年11月20日
(1)サトウキビ畑に敷いた刈り取り残渣の変化 (24.畑に敷いたサトウキビの葉の変色の続き)
昨年の12月3日にサトウキビを刈り取り、その残渣(ショウトウ部と葉)をサトウキビ畑に敷いた。それが写真1上である。
写真1下は今年の10月30日のものである。サトウキビ残渣は完全に消失していることがわかる。
写真2を見るとしだいに残渣は減少してゆき10月19日にはなくなっていることがわかる。
10月5日と10月11日に台風が襲来し、サトウキビが倒れてしまったため、土をサトウキビの根元に寄せたときに残渣と土が混ざってしまったからである。
いずれにせよ、サトウキビ畑に敷いた残渣は1年以内に土と混ざって見分けがつかなくなるほど細かくなってしまうことが分かった。
(2)切り取ったショウトウ部の変色
2014年10月18日に収穫したサトウキビのショウトウ部を土地の上におきその変色経過を観察した。(写真3)
図1に写真1の○印部分のRGBおよびR%,G%,B%の変化を示した。
刈り取り直後は緑色をしているので当然G%が最も高いが10月23日(刈り取り後5日)にはG%がR%を下回り、緑色が消失した。
緑色消失後はR%は上昇傾向、G%はほぼ一定、B%が下降傾向となり褐変していく。
図2は緑色が消失するまでの毎日のRGB値を示したものである。
G値が低下し、R値とB値が上昇していく経過が良くわかる。
屋外にショウトウ部や葉を放置すると、短時間の間に表面にカビが繁殖し黒ずんでくる。(写真4)
(3)室内に放置したサトウキビの葉の変色(23.切り取ったサトウキビの葉の変色の続き)
写真5は300日から400日経過の写真を示す。褐色がだんだん強くなっているのがわかる、
図3のRGB値も300日以後は明瞭にR>G>Bとなっている。
放置50日以後はT値はほぼ一定になっている。50日までは葉の色素(特にクロロフィル)が失われT値が上昇している。
G/R、G/Bの比率変化を見るとG/R、G/Bが急激に低下するPhase1が認められ、その後Phase2ではG/Rはゆっくりと低下してゆき、B/Rは300日までほぼ一定、300以降は上昇に転じた。
葉を室内に放置した場合は、屋外に放置した場合と比較し、葉の表面の黒ずみはまったく認められない。
屋外では雨により水分が増えるので、カビ等の微生物が繁殖し、それによる黒ずみが起こる。
屋外におけるサトウキビ残渣の分解は微生物による分解が主体である。
従って微生物の生育に適した水分含量が分解を大きく支配すると言える。
今後、サトウキビ残渣の分解に及ぼす水分量、土の混合率(微生物の数)について検討してゆきたい。
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