56.インキュベーター内(60℃)でのメイラード反応のバラツキ 2015年5月17日
MSGとグルコースのメイラード反応ではMSGとグルコースのモル比は8:2のとき、最も暗色化が起こりやすいことがわかった。(55節)
このときの反応温度は100℃(ドライバス)という高温であったが、今回はインキュベーターを使用し60℃で実施した。
(1)方法
①2M MSG水溶液と 2Mグルコース水溶液を8:2の比率で混合し、その10mlをガラス瓶にいれて密閉した。
②インキュベーターは、柴田科学コンパクト インキュベーターSCI-13を用いた。
③インキュベーター内のわずかな温度勾配により反応速度が変わる可能性があるので、それを確認するために写真1のように同じサンプル15個を写真1のように配置した。
④インキュベーターの温度は60℃に設定し、一定時間ごとにサンプルの写真撮影を行った。
(2)サンプルの写真とRGB およびT値 (T=R+B+G)
(3)サンプルの位置と暗色化速度
暗色化速度をT値の減少速度で表した。
サンプルの位置によって暗色化速度は大きく変化することがわかった。
すなわち、インキュベーターの奧に置いたサンプルはドア側に置いたサンプルより明らかに暗色化速度が大きかった。
また右側に置いたサンプルの方が左側に置いたサンプルより暗色化速度が大きかった。
サンプルの位置によってこれだけ大きな暗色化速度のバラツキがあると、インキュベーター(60℃)を使用したメイラード反応阻害物の比較実験はできない。
今度はドライバス(60℃)でバラツキがどの程度であるか確認することとしたい。
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