57. サトウキビ焼酎をつくる  2015年6月3日

(1)はじめに
  昨年はサトウキビジュースからサトウキビ酒(醸造酒)をつくってみた。今回は蒸留酒つくりに挑戦した。
蒸留方法をどうすれば良いか悩んでいたのであるが、結局「銅製蒸留器アランビック5.0L(株)日本メディカルサービス」を購入した。


(2)発酵前の準備
 原料としては2013年の12月はじめにつくった黒砂糖を使用した。このころは最適な製造条件を選ぶのに苦労していた段階で、まだきれいに固まった黒砂糖をつくることができなかった。
粘りけのある飴状の黒砂糖である。



(3)アルコール発酵
 黒砂糖15%の水溶液1Lに市販のドライイースト10gを添加して室内に放置した。
 写真2は液表面の変化である。また図1には温度、pH、Brixの経過を示す。
 


 発酵が進むにつれ有機酸の生成によりpHが低下し、糖が消費されてアルコール(エタノール)にかわることによりBrixが低下した。
 


(4)発酵液の濾過

 40hrで発酵を停止した。酵母が底に沈んでいるので上澄みを濾過した。この濾液をいよいよ蒸留するのである。
 


(5)蒸留
 蒸留は写真4のようにして行った。また蒸留の経過を表1と図2に示した。
留出液のアルコール濃度はATAGO アルコール濃度屈折計AL-21αで測定した。
この機器はアルコール測定濃度の上限が21%であるので、それを超える場合は水で希釈して測定した。





(6)留出画分の混合
 各25mlの画分C1からC9を混合してアルコール濃度24%の蒸留酒をつくった。
それぞれの画分は無色透明であるが、混合するとわずかに白濁した。
高濃度のアルコールには溶解していた脂肪酸成分が水で希釈されることにより析出するためと考えられる。
 写真6ができあがったサトウキビ焼酎である。
飲んでみるとなかなか美味な焼酎であり、酔いがまわっていい気分となった。


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