63. 黒砂糖発酵液の色変化  2015年7月31日

 「57.サトウキビ焼酎をつくる」と同じ方法で黒砂糖の酵母によるアルコール発酵を行った。ただしドライイーストの添加量は前回(10g/L)の半分(5g/L)に減らした。
今回はアルコール発酵中の液表面の状態を30分おきにインターバル撮影して(写真1)、液表面の色変化を記録してみた。(写真2)




 そのRGB値の変化を図1にT値(R+G+B)の変化を図2に示した。



 発酵液の温度変化を図3にpH変化を図4に示した。




アルコール発酵による糖の消費にともない、Brixは図5のように低下した。



図5よりBrixの1hrあたりの減少速度を計算しプロットしたのが図6である。
Brix減少速度は発酵時間とともに直線的に低下してゆく。



 Brix減少速度とT値の関係をプロットしたのが、図7である。
T値が大きいときは炭酸ガスの発生による上昇流で酵母が浮遊している時期である。Brix減少速度が0.1(Brix/hr)以上でこの現象が起こっている。
糖が減少し発酵が終わりに近づくと、酵母は沈降し、T値は小さくなる。


 得られた発酵液から沈降した酵母を除去し、アルコールの蒸留を実施した。その様子を写真3,5,6に示した。
また蒸留の経過を図8,9,10に示した。





 アルコールももちろん重要だが、私にとってもっと重要なのは酵母により脱糖された蒸留残液である。(写真5)
「ワンダムおじさんの糖蜜色研究:エピローグ S嬢の見る夢」で述べたように、糖蜜色をした蒸留残液の中に生理活性成分があると考えている。

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